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【2024/04/20 20:27 】

220915.jpg


ぼろぼろのイルカを前に、思わずおろおろと戸惑うカカシ。
「な、何があったのです?」
「いいえ、特に何もないですよ?」
にこやかに答えるイルカであったが、彼の様子が明らかに
言葉とは裏腹であった。
「でも…イルカ先生」
「はい、カカシさん」
食い下がるカカシの目の前に差し出された物。
それは、綺麗にラッピングされた小箱であった。
「お誕生日おめでとうございます」
丁度、日付が変わる合図を知らせる時計の金の音が鳴る。
「えっ、あっ!」
「やっぱり忘れてましたね」
いたずらっ子を見つけた時のような笑みを浮かべるイルカを前に
ばつの悪そうに笑うカカシ。
「いや~ありがとうございます」
いつしか、自分の誕生日を他人に祝ってもらうということがなくなった
カカシだったからこそ、イルカと付き合うようになってから迎える毎日が
とても新鮮なものであったが。
誕生日を祝ってもらえることに戸惑いながらも、カカシが生まれた日を
しっかりとイルカが覚えていてくれたことが嬉しくて仕方なかった。

「ありがとうございます、イルカ先生」
差し出された小箱を受け取る。
「あと、もう一つ用意してあるのです」
そう言ったイルカがカカシに口付けを一つ落とす。
そして、艶を深めた瞳をカカシに向け、問いかける。
「受け取ってくれますよね?」
差し出された手をしっかりと受け取るカカシは、最上の笑みを浮かべて
イルカを迎えるのであった。


***


「何があったかなんて…いえるわけないですよ」
写輪眼のカカシという名が、他国に知れ渡ったカカシに舞い込む任務の数は
他者の追随を許さぬ程。
そのカカシが、人知れずどれ程の任務をこなして来たかは、受付にいる
イルカですらもそのすべてを把握しきれていない。
恐らく、彼に休日と言うものは存在していないだろうと思われるのであるが。
9月15日
彼が生まれたその日くらいはゆっくりと休んで欲しいと思ったからこそ。
イルカは最終手段に出た。
「綱手様、お願いがあります」
「ふぅん、聞いてやらんこともないが…」
イルカの顔を見た途端、既にイルカが何を願おうとしていたのか分かっていたのだろう。
カカシの休日を貰うために、イルカは一週間、綱手の側近を勤め上げたのだ。
五代目火影の名は伊達じゃないと、再確認することも出来たが。
ぼろぼろになるまで、こき使われたおかげで、カカシの休日を確保することが出来たのだ。


***


「綱手様も意地悪ですね」
「…シズネ」
「最初からあの二人にはお休みをあげるつもりだったのですよね?」
「……」
「イルカ先生にも言ってあげたら良かったでしょうに」
「何をだい?」
すっとぼける綱手を横目に、日の落ちた窓の外を見るシズネ。
「一日だけで良いからイルカ先生を休ませて欲しいとお願いしてきたカカシさんが、
可愛そうですよ」
「ふん」
互いに互いを想い、休みの申請をしてきた二人。
互いのために、自分の労働は厭わないと、綱手に申告してきたのだ。
「だから、休みをやっただろう」
「はいはい、そうでしたね」
どこまで仲が良い事か。
「まぁ、優秀な分、惜しまれる気持ちも捨てがたいが…」
「二人が幸せならそれでいいのですよ、きっと」
「そうだな」
苦笑しつつも、何処かふっきれたような笑みを浮かべる綱手であった。



****



ハピバ☆カカシ先生!

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【2010/09/15 22:37 】
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